CIBO MATTO - MOONCHILD


 チボ・マットは本田ゆかと羽鳥美保の二人組み。デビュー当時はスーパージャンキーモンキーと共に雑誌やメディアなどで頻繁に採り上げられましたが、アメリカ中心の活動が長いせいか、国内で彼女達の活動を耳にする事は少なくなりました。当時、NHKでチボ・マットとSJMが特集されていた番組を観て、「これからはミクスチャーの時代?」などと思ったものです(実際には、むしろヒップホップやグランジが台頭したわけですが。彼女達もヒップホップはかなり取り入れています)。

 住まいもニューヨークに構え、日本とはすっかり縁遠くなった彼女達ですが、カート・コバーンへのトリビュートアルバム『LAST DAYS~tribute to Kurt~』への参加決定で、最近になって国内でも彼女達の名を耳にするようになりました。4月発表との事で、どのようなアルバムになるかは想像つきませんが、実に不可解な参加メンバー・・・。少年ナイフとチボ・マットの参加は非常に嬉しく、驚きでもありましたが、アルバムとしての期待値は正直・・・。謎だらけの参加メンバーですが、中でも土屋公平スライダーズの蘭丸ですね)+清春って・・・。どこをどう足すんだろ。しかし、少年ナイフとチボ・マットが共に参加しているというだけで、興味深いアルバムではあります。(欲を言えば、吉井和哉が参加する方に加わって欲しかったなぁ・・・)。

 ご紹介した「ムーンチャイルド」は、ミディアムテンポの落ち着いた曲。比較的ノリの良い曲が多い彼女達ですが、このような癒される、スピリチュアルな楽曲も少なくありません。洗練された近代的な音作りの中に、アコースティックギターの音色が不思議なほど自然に溶け合っている。ボーカルも大変にソフトで、やさしい歌声です。

 彼女達の音楽には、これまた不思議なのですが、ラテン音楽やボサノバなどの要素が含有されています。この曲で響くギターにも、普段ロックで耳にするフォークを応用したようなバッキングや、クラシカルな音色などでは無く、むしろラテンやスパニッシュギターに近い雰囲気を感じます。

 この曲が収録されている『ステレオタイプ A』(※)は、彼女達の作品としてはやや落ち着いた内容。ヒップホップやミクスチャーも勿論プレイしているのですが、アルバムとしてはリラックスできる内容だと思います。その中でもこの「ムーンチャイルド」は、小トリップ感覚を味わえる、大変に癒される曲です。

 (※)アルバム『ステレオタイプ A』は、amazon(米)で試聴可能です。

続きを読む»

THE YELLOW MONKEY - Tears of Chameleon(Mr.Paper Moon)


 この作品はインディーズ盤「Bunched Birth」のラスト、7曲目を飾る曲。このアルバムのジャケット、両性具有!痺れましたね。私は両性具有とか、ロボトミー手術など、イエモンの詩が切っ掛けで知るようになった事がいくつかります。

 ロビンはソロになって、詩がとてもシンプルになった。意図的にそうしているのだと思います。もはや詩と言うよりメッセージに近い。私は練りに練った倒錯の世界、あやふやなジェンダー、アンダーグラウンド社会、ドラッグなどをイメージさせるロビンの詩作が好きだったので、この曲を聴いてかつてのロビンを思い出し、とても懐かしくなりました。

  イメージとダメージを重ね すてゼリフは君を悩まし
  カリスマは指をねじられ ゲームは結末を迎える
  Oh My Oh My Mr.Paper Moon
  クリエーターの頭蓋骨は砕け
  Oh My Oh My Mr.Paper Moon
  ラストステージにほとばしる
  (作詞:吉井和哉)

 イントロのピアノ、歌詞、ロビンの唄い方、とても陰鬱で、気がふれた人の様・・・。この曲はイエモンの黎明期をご存知の者達の間では、人気のある作品では無いでしょうか。私は最初聴いた時から、曲はすぐに気に入ったのだが、詩がよく分からなかった。

 これは虚構を作り上げる宿命にあるロックスターの良心の呵責、自責の念と、そんな存在をあがめ、すがる、聴衆のあわれな姿を唄ったのだと私は思っている。ロックスターだけじゃ無く、夢を売る商売というものは、どこか図々しくないと、きっと続けられない気がする。俳優や芸人さんらと比べて、ミュージシャンを目指す類の者は、そこまで図々しくなれるだろうか?ナイーブで、理想家で、「自分に正直に」なんて日々悩みながら、それでも一度ファンが勝手に植えつけたイメージを演じ続け、ライブあがりには悶々とした気持ちを抱え、そんな気持ちとは裏腹に、今までの苦労が嘘のように金は舞い込み・・・、死にたくなったりはしないだろうか。カートコバーンの遺書を読んだ時に、私はこの曲のイメージと完全にシンクロしました。

 カートコバーンが自殺し10年以上の時が過ぎたが、今年は映画「ラスト・デイズ」公開、DVD「オール・アポロジーズ」発売(←これ、良かったですよ!知人へのインタビュー中心ですけど)、日本国内でも既に2枚のトリビュートアルバム発表が決定と、大変な盛り上がりを見せている。2枚のトリビュートのうちの一枚(タイトル未定)に吉井和哉も参加するそうです。意外と言う声も聞かれるが、確かに音楽の根は違う気もするが、私にはこの曲の残像が残っていたので、ちっとも意外では無かった。大変に楽しみにしています。

続きを読む»

吉井和哉 - BEAUTIFUL


 おかえり、吉井和哉!YOSHII LOVINSON改め、心機一転。ソロとしては通算五枚目となるシングル「BEAUTIFUL」は、世界進出とか、イエモンからの脱皮とか、そんな気負いから解放され、肩の力抜けまくり。彼が愛聴するビートルズを髣髴させる、大変にゆったりとした、やさしい曲です。

 アコースティックなサウンド、シンプルなコード進行。グラムロックを標榜し、デビッドボウイ丸出しのジャケットでスターダムにのし上がり、そのルックスも手伝って非常に派手な印象の強かったロビンですが、歳を重ねた事もあってか、今はとても自然体ですね。派手派手のロックスター吉井も好きですが、彼のトークや雑誌のインタビューを聞く度に、私は彼の素朴で真面目な一面にも惹かれていました。この曲では、彼のそんな内面が強く現れています。

 実に7年ぶりとなる武道館公演は大盛況だったようですね(行かれた方、羨ましいですっ!)。その公演の本編ラストは、この曲が飾ったとの事。写真でしか観ていないので、はっきりとは分かりませんが、衣装は黒のTシャツ(※)だったのですか?私が観た写真では、Tシャツ一枚にシンプルなネックレスをした黒髪の彼が、黒いマイク一本握り締め、汗して熱唱している姿が映し出されていた。女装にマニキュア、派手な帽子に金髪といったイエモン時代の中性的な風貌と違って、無骨で、男らしい彼の姿は威風堂々としていました(アンコールで着替えた後のフォトかもしれませんね・・・。ライブをご覧になった方に、実際はどうだったのか教えて頂きたいです)。

 イエモンで脚光を浴びた時、彼は既に30歳を超えていた。デビューまでのプロセスを大事にしたかったと、当時のインタビューで語っていた。一歩一歩、着実に歩みを進め、しっかりと地盤を気付きながら、階段を一つずつ登りつめていく彼の姿。デビッドボウイはまだ現役。ロビンもまだまだ、歩みを止めるわけにはいきませんよね!

 「死んだら新聞に載るようなロックスター」になる夢は、もう果たせたでしょう。次のステップは何ですか?毒々しい、尖ったイメージから、やさしくピースフルな姿に変貌していく様は、どこかジョン・レノンにも重なります。吉井和哉、聞き慣れた名前、呼び慣れた名前・・・、本当にお帰りなさい!!今後のより一層の活躍を期待しています。

 (※)追記、23日はドレッシーに、24日はTシャツ?ちなみに私が観たTシャツ姿は、株式会社ロッキングオン「ROCKIN'ON JAPAN」April 2006 VOL.295の「THE LIVE!」(250頁~)に掲載されてたフォトです。

続きを読む»

ザ・ピーナッツ - 恋のバカンス


 昨日亡くなった、宮川泰さんの名曲中の名曲、「恋のバカンス」。最近では、W(ダブルユー)のカバーが有名ですね。この曲は、本当に多くの人にカバーされています。ちょっと調べてみると・・・、

 W(ダブルユー、モーニング娘。の加護さんと辻さん)
 田中美奈子(憶えてらっしゃいますかぁ?女優さんですね)
 キャンディーズ(オリジナルに引けをとらぬ、恐るべき歌唱力!)
 甲斐よしひろ(甲斐バンド!最近、ダウンタウンの浜ちゃんとTVに出ていました)
 あがた森魚(はちみつぱい!ムーンライダーズの前身)
 渡辺美里(「マイレボリューション」は小室とは思えない名曲)
 庄野真代(とんでいすたーんぶーるぅ、恨まないのがルール、♪)
 中尾ミエ(かわいいベイビー、(はいはいっ)♪)

 石川さゆり、由紀さおり、長山洋子・・・、うわぁ、キリがないっ。竹中直人(ん?)、大月みやこ(ん??)、藤井尚之(サックスで???)・・・。もっとたくさんいらっしゃると思いますが、割愛。きっと、今後もカバーし続けられると思います。まさに、不朽の名作。

 意外と言っては失礼ですが、ダブルユーのカバーは、結構かっこ良かったですね。テイクを重ねたのか、それとも元々唄が上手いのかは知りませんが、なかなか聴き応えありました。ですが、オリジナルのぶっきらぼうな感じが、ダブルユーには足りませんし、歌唱力がまだまだ(比較するのも変ですね・・・。違った魅力があると思います)。

 オリジナルはジャズのビッグバンドが、もう、やばいくらいかっこ良いです。うーん、追悼番組とかやってくれないかなぁ・・・。ビッグバンドを背にして歌っている姿を観てみたい。

 「ズームイン朝!」のオープニング、「ちゃっちゃっちゃー、ちゃらららららら♪」。「シャボン玉ホリデー」のテーマ、「しゃぼん~だーまぁ、♪」。「午後は○○おもいッきりテレビ」のジングルも宮川泰さんの作曲だそうです。戦後の歌謡曲の原動力ですね・・・。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

続きを読む»

ザ・ピーナッツ - ふり向かないで


 訃報。昨日、宮川泰さん急逝、享年75歳。今日ご紹介するのは、1962年、昭和37年の2月に発表された、ザ・ピーナッツの代表曲。作曲は故人、宮川泰さんです。

 「ふーりーむーかーなっ、はっはいで~」、「おーねーがーいだっ、はっはーかぁら~」の「は」ですが、これは意図的なもの。歌唱法と言っては語弊がありますが、坂本九なども、少々極端に書けば「うーへーほーむひーて~」といった調子ですよね。「ふり向かないで」は、もっと極端にした感じ。はっきり「は」と発声しています。

 「何でそんな唄い方を?」と思われるかも知れませんが、プレスリーなんて、思い切りそんな感じですよ。要は、「洋楽っぽく」唄った結果なんだと思います。

 この曲は、Winkもカバーしています(※)。しかし、残念ながら歌唱力が少々追いついていないので、私はオリジナルのザ・ピーナッツをお薦めします。めっちゃ上手いですよっ、ザ・ピーナッツは。双子ですから、ユニゾンはバッチリ同じ声。ハモリも完璧です。「これから仲良くデートなの、二人で語るの、ロマンスを、♪」。イントロの「Yeah~、♪」掛け合いも見事っ!個人的には、「いーまーねっ、くーつーしたー直してるのーよっ、♪」の、「よっ」が好きです・・・(?)。

 今回はライブ盤をご紹介!ジャケットもかっこ良くないですか?シックスティーズの香りが・・・。「ふり向かないで」は6曲目に収録されています。

 (※)ちなみに、松雪泰子もカバーしているそうです。彼女の唄、一度も聴いた事ないなぁ。ご存知の方は、ぜひ感想を。一人で、どうやってこの曲を・・・。一人じゃ無理なパートが、何箇所もあるけど。

続きを読む»

ブログについて

ヒロ

ブログ名: jmusic
管理者 : ヒロ
邦楽の話題が中心のブログです。

検索
書庫
10  10  07  06  04  01  12  11  10  09  08  07  05  04  01  11  10  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01 
コメント